病院内での上司のパワハラ対策について

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院内での上司のパワハラ対策

病院という職場は、常に緊張感が抜けず、ミスが許されない現場であり、医療従事者はそれぞれ専門性を持ち自律性が高く、一般企業に比べて組織の目が行き届かずパワーハラスメント(以下パワハラ)が起こりやすいとされています。そんな医療現場のパワハラに対してどのように対策すればいいのでしょうか。

パワハラとは?具体的な例はこれだ!

そもそもパワハラとは、“同じ環境、職場で働く人に対して、職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に、業務の適正範囲を超えて、精神的または身体的な苦痛を与える行為または職場環境を悪化させる行為”と厚生労働省が取り決めています。例として、

1)暴力・障害などの身体的な攻撃

2)脅迫・名誉毀損・侮辱・暴言などの精神的な攻撃

3)隔離・仲間はずれ・無視などの人間関係から切り離す行為

4)業務上明らかに不要であったり、遂行不可能なことを強制する、または仕事の妨害などの課題な要求

5)業務上不合理な能力や経験とかけ離れた仕事を命令されたり、仕事をさせないなどの過小な要求

6)私的なことに過度に立ち入るなどの個人の侵害

などとなっています。

例えば、患者の担当をさせない、重症症例を持たせない、終わりきらない患者数を担当させるなどなどが医療現場での具体例となります。

 

医療現場におけるパワハラとは?過度な指導もパワハラに!

医療の現場のパワハラは一般企業とは異なり、多数の人が関係していることもしばしばです。例えば、直属の上司や同僚以外に、医師や看護師、薬剤師などの他職種、患者さんやその家族などからもパワハラを受けることがあります。ミスが許されない業務であるがゆえ、うまくいかなかった際に高圧的、または攻撃的な言動に深く傷ついてしまう人たちもいます。そのような理由でも裁判ではパワハラと認定されます。

他にも良かれと思っての厳しい指導や助言などがパワハラと取られる場合もあります。自分も同じような症例を経験したがこんなことにはならなかった、などの発言もパワハラになり得ます。医療従事者はプライドが高い方も多く、ついつい悪気なく言ってしまった一言が加害者になってしまうこともあります。“私の時にはこんなことなんて起こらなかったのに、最近の若い子は”なんていうのがその一例です。また命に関わる業務ですから、緊急時に上司にあたる方や他職種から厳しい指導や言動(舌打ちやため息、不機嫌な表情や態度など)などを受けたとしてもハラスメントと捉えられにくいという側面もあります。

 

パワハラ対策はどうすればいい?

もしも医療現場である職場でパワハラ被害にあったらどうすればいいのでしょうか。医療現場は特にパワハラの相談窓口やその部署などの機能を有していないところも少なくないために、対応を考える必要があります。

 

1、最初にとるべき対応はすれ違いを修正

上司からのパワハラをされていると感じたら、早期に上司の意図を確認し自分の行動とのすれ違いなどを直接訪ねてみましょう。直接的に尋ねられない場合には、周囲の人に助けてもらうのも一つの案です。例えば、長年勤務している先輩などでもいいでしょう。孤立しているとターゲットにされがちです。

2、自分自身の認識を変える

上司が行動を起こしている背景を考え、自分がどのように振る舞うべきかを考えます。無視されている、攻撃されていると被害妄想が強くなり、自分自身の上司に対する態度も良くなくなり、また相手もいい印象を持ってもらえずに悪循環になってしまいます。また医療職ならではの自分の好きな手技や治療法の選択など、受け入れがたいものもあるでしょう。自分自身も頑なな態度をとると上司の態度も悪化していきます。こちらが余裕を持って、ゆったりと対応していると上司自身も態度が変わって来るかもしれませんね。

3、こじれてしまった場合には環境を変える他ない

もしもパワハラが長期的なものになってしまうと、関係の修復な不可能となります。そのような場合には、部署の異動や勤務先を変えるなどの選択が必要となります。

4、パワハラの窓口、または室長や病院長などに相談する

決定的なパワハラが続いている場合には、言動を録音または録画するなどして、上層部に訴えかける必要があります。

 

まとめ

医療の現場はパワハラが起こりやすい職場環境です。組織として統治されていないために問題を相談するところがなかったり、緊急性の高い場面に遭遇することが多いために厳しい言動などを気づかぬうちに口にしていることもあります。精神的にダメージが強くなる前に、何らかの対策を行いましょう。

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